位置情報が正確にわかるGPSなどの技術進歩や建物の老朽化により、全国の灯台がその役目を終え、次々に廃止となっています。そんな中、灯台をこの先の未来に残していくために、新たな価値を生み出そうと取り組んでいる斬新なプロジェクトが始まっています。
それが「燈の守り人」プロジェクトです。日本全国の海岸線に実在する灯台をモチーフに、擬人化したキャラクターを作り、これまでの灯台ファンに加え、違った側面からもっと多くの人たちに灯台や地域の魅力を伝えることで、現地に足を運んでもらおうと去年10月に始まったプロジェクトです。
これまで和歌山県の「樫野埼灯台」、京都府の「経ヶ岬灯台」、山口県の「角島灯台」、島根県の「出雲日御碕灯台」のキャラクターが作られ、それぞれの灯台をモチーフにしたストーリーが、ボイスドラマ「幻想夜話」としてネット配信されています。
そしてこのほど、疑似化プロジェクトの第5弾に、新潟県糸魚川市能生の弁天岩に建つ「能生港灯台」が選ばれて、擬人化されたキャラクターが先月25日(月)からネット配信されているボイスドラマ「幻想夜話」に登場しています。
能生港灯台をモチーフに擬人化されたキャラクター
CV:伊倉一恵
能生港灯台は平成28年に恋する灯台に認定され、その後、地元で意欲的に行ってきたさまざまなPR活動が評価され、今回の擬人化プロジェクトに選ばれました。
「燈の守り人」プロデューサーの大嶋麻沙美さんは「能生港灯台は漁師の安全のために建てられ、航路標識としての役割を終えた後も、地元の人たちの声によって残されている灯台です。灯台がそこにある理由が地域の人たちの愛にあふれていて、物語として残すべき灯台と感じました。灯台と同じ時間を生きた人々の暮らしを思い起こすきっかけになればうれしいです」と話しています。
『燈の守り人~幻想夜話~』能生港灯台(CV:伊倉一恵)
「燈の守り人」公式サイト
https://www.akarinomoribito.com
擬人化された灯台を題材にしたボイスドラマ「幻想夜話」は、聞いている人が主人公となり、各地の灯台を訪ね、その灯台に宿る“燈の守り人”から、光のきらめきを手に入れて、契約を結んでいくというストーリーです。第5弾では、アニメやゲームの声優として活躍中の伊倉一恵さんが能生港灯台を演じています。海底火山の噴火によって生まれた土地の歴史や能生白山神社の稚児舞、翡翠など、能生ならではの内容を織り交ぜた完全オリジナルストーリーが展開されています。
能生港灯台がある弁天岩では4月下旬ころから、近くを走る国道8号線と弁天岩の間を数多くのこいのぼりが潮風に吹かれながら泳ぎます。実際の能生港灯台や弁天岩の様子を映像でもお楽しみください。
【空撮】弁天岩 海を泳ぐこいのぼり(2019年4月23日撮影)