年末が近づくなか、新潟県上越地域の正月料理に欠かせない食材「サメ」の競りが27日(水)の朝、上越市の一印上越魚市場で行われ、威勢の良い掛け声が響きました。
一印上越魚市場では、江戸時代から上越地域の正月料理として親しまれている食材「サメ」の競りが毎年この時期に行なわれています。けさ7時過ぎ、市場には宮城県気仙沼漁港で水揚げされたモウカザメ26本が並びました。
1本50キロから大きいものは100キロあります。市場によりますと、今年は全てオスで身が大きいものが多いということです。
市内の鮮魚店やスーパーなどから20人ほどが参加し、威勢の良い掛け声を上げて競り落としていきました。ことしは1キロあたりおよそ1500円で取り引きされ、競りはおよそ10分で終わりました。
買い手
「身質は例年と変わりなく鮮度が非常に良い。量も問題なく入荷している。予定通りの数量を確保できた。売り場に並べてお客さんに提供したい」
一印上越魚市場 尾崎徹 社長
「毎年この時期 競りの様子を見て、年の暮れが来たと感じる。新鮮なサメなので正月料理で食べてほしい」
上越でサメを食べる習慣は江戸時代から始まりました。冬は食材の調達が難しくサメの肉は保存がきくことから、高田地区や山間部では、正月の煮つけや煮こごりとして親しまれています。カロリーが低く高たんぱく質のため、いまは小中学校の給食にフライに調理され提供されています。市場にはサメの食文化を研究している井部真理さんの姿があり競りを見学していました。
サメ食文化研究家 井部真理さん
「昔の歴史に思いをはせながら、ムニエルや照り焼きなどぜひ食べてほしい」