戦国武将、上杉謙信が戦の前、武将たちにふるまったと伝えられる「かちどき飯」を提供している店が新潟県上越市にあります。いったいどんな料理なのでしょうか?
毘の膳 2,500円(税抜)
※「かちどき飯」の提供は6人以上から。4日前までに予約が必要
謙信のふるさと、上越市春日山町の「割烹 から松や」が提供する「かちどき飯」です。これは謙信公が戦の前に武将たちにふるまったと伝えられている戦国時代の“ご馳走”です。当時の調理方法で忠実に再現しました。
ごはんは、玄米と赤米などを混ぜたもの。現代の味噌汁である「集め汁」は、当時保存食だった魚の干物やスルメ、カツオ節などで出汁をとってそのまま具材に。さらにネギやズイキを入れて具だくさんに仕上げています。昔はダシをとったあと、かつおぶしなどは捨てずに具として食べていたそうです。
左:ずんだ 右:煎り酒
もちろん醤油などの調味料もありませんでした。その代わりによく使われていたのが「煎り酒」です。煎り酒は、梅干しと酒を火にかけて、量が4分の1になるまで煮詰めたものです。当時、清酒は大変貴重なもので謙信しか飲めなかったと伝えられています。この清酒が調味料に使われていることからも、豪華な食事だということが読みとれますね。
お刺身には、わさびやかんずりなどの辛味調味料の他、煎り酒やずんだをつけていたそうです。当時は冷蔵庫などもなかったため、保存のために生魚は酢や昆布でしめていました。
こちらは、季節の青菜のお浸し。今では醤油をかけて鰹節をのせてたべるのが一般的ですが、戦国時代は下味に「味噌汁のうわずみ」を使っていました。上にのっているのはクルミをすりつぶしたもの。シンプルな味付けで、素材の味が存分に生かされています。
こちらは、ぶつ切りにしたイワシをぬかで煮たものも。タケノコのえぐみがとれ、骨がやわらかくなります。仕上げに味噌で味付けをしていますが、汁にも味が染み出ているので最後までおいしく食べることができます。
海の幸、山の幸をふんだんに取り入れた戦国時代の料理、味わってみたくなりましたか?新潟県上越市を訪れた際は、謙信の歴史にどっぷりと浸かり、戦国時代に思いを馳せながら「かちどき飯」で、お腹を満たしてはいかがでしょうか?