新潟県と長野県の県境、妙高市長沢地区に店を構える「長沢茶屋」が今回の主役です。“まぼろし”で知られるソバ店の今季の営業がようやく始まりました。
まぼろしのソバとは……ソバのつなぎにヤマゴボウと称される山菜「オヤマボクチ」の葉の繊維を使い、独特のコシとのどごしが特徴です。小さなこの地域で食されてきた伝統の味わいが、まぼろしと言われる由縁です。
そんなソバを打つのは、今年の春、妙高市の長沢茶屋に「地域のこし協力隊」として着任した、ソバ職人の小林彰さん60歳(東京都出身)です。後継者不足に悩んでいた茶屋で、地域の人から伝統のソバの作り方を受け継ぎ、腕を振るいます。
今季の営業は、新型コロナウイルスの影響で予定より2か月遅れの、6月6日に再開しました。この日、店がオープンすると再開をまちわびた人たちが次々と訪れ、用意された30食はすぐに完売となりました。訪れた客は「香りがあり十割ソバのようなコシが失われていない。ここでしか食べられない感じ」「茶屋が地域おこしで頑張っている話を聞いて来た。おいしい!」と話していました。
小林さんは「みなさん気さくに接してくれて、私も心もおだやかになった。これからもどんどん歴史あるソバを打って客に喜んでもらえるように頑張りたい」と話していました。
長沢茶屋は通年営業で、午前11時から午後3時まで。売り切れ次第終了。定休日は火曜と水曜。
営業時間:11:00~15:00 定休日:火・水
住所: 新潟県妙高市大字長沢1355番地1
電話: 0255-75-3458
アクセス: <車>上信越自動車道 中郷ICから約25分
URL: http://nagasawa.myoko-gt.com/