石灰岩や雨水で浸食されてできた日本屈指のカルスト地形が見られる「マイコミ平ジオツアー」が9月から4年ぶりに開催されます。
このツアーは普段は立ち入ることのできない糸魚川市内の秘境を歩きながら、日本一深い竪型洞穴群の成り立ちを学んだり、貴重な高山植物を観察したりできる人気のジオツアーです。これまでアクセス道路の一部が崩落していたため4年ぶりの開催となります。前回のツアーでは県内はもちろん、東京や神奈川など関東圏のほか、北陸や中部、関西圏からの参加もありました。
マイコミ平は、糸魚川の黒姫山(1222m)の南部に位置するカルスト地形(石灰岩地帯にできるすり鉢状の地形や洞窟など)が発達する地域です。日本一深い竪型洞穴の白蓮洞(深さ513m)をはじめ、日本の洞穴の深さランキング1位から4位までがマイコミ平に密集しています。この名前の由来は、 洞穴には水が流れ込む場所があり「水が舞い込む様子」からマイコミ平と呼ばれるようになった説や、デコボコした特異な地形は一度入ると見通しがきかず「迷い込む」人が多いことが由来になったとする説もあります。
開催は9月17日から11月にかけて5回を予定しています。糸魚川駅に集合し、専用バスで移動しながら特徴的な洞穴などを6か所、1日かけて巡ります。
福来口鍾乳洞(ふくがぐちしょうにゅうどう)
福来口鍾乳洞はマイコミ平では数少ない鍾乳洞です。全長は2,715m。雪解け時期にはマイコミ平に流れ込んだ水が福来口鍾乳洞から放出されます。
浄土門(じょうどもん)
こちら、浄土門はマイコミ平の入口となるU字型の谷です。大鍾乳洞の天井部分が崩落してできたと考えられています。
大マイコミ(おおまいこみ)
大マイコミは深さ345m(日本第3位)の竪型洞穴です。マイコミ平の入口にある洞穴で大量の水が流れ込んでいます。
青海千里洞は日本で二番目に深い405m(日本第2位)の竪型洞穴です。近くには高低差60mのドリーネ(すり鉢状の地形)があり、ドリーネの底では地下からの冷気によって高山植物が自生しています。
白蓮洞は深さ日本でも最も深い513m(日本第1位)の竪型洞穴。沢の水が直接流れ込む吸い込み口で、入口の石灰岩が白い花のように見えることから名づけられました。
通天洞(つうてんどう)
通天洞は竪型洞穴の側面が抜けてできた洞穴です。洞穴内から見上げた景色が天に通じるように見えることから名づけられました。ここでは洞穴に入り、入口を見上げることができます。
ツアーでは貴重な高山植物が見られるかもしれません。
ムシトリスミレ
ツアーの対象は中学生以上で、軽登山程度の体力と装備が必要です。参加費はバス代、昼食代などを含み9900円です。募集人数は20人。締切は開催日の1週間前までです。
糸魚川ジオパーク協議会事務局 香取拓馬さん
「普段立ち入ることのできない秘境をガイドと巡る貴重な機会です。環境保全のため年間の入山者数を制限していますので、興味のある方はお早めにお申し込みください」
マイコミ平ツアー
■開催日:9月17日(土)、10月1日(土)、15日(土)、29日(土)、11月12日(土)
■参加費:9,900円(バス代+昼食代+ガイド料+保険料等)
■定員:各回20人(中学生以上・申込順)
※軽登山程度の体力と装備が必要です。
■申込期限:各開催日の10日前まで
■申し込み・問い合わせ:TEL025-552-3445 糸魚川着地観光の会(三愛旅行社内)