師走の足音が近づくころ、雪国のニュースで話題になるのが干支のスゲ細工。
スゲ細工 干支のネズミ
雪国の山間集落、新潟県妙高市平丸地区で作られている伝統工芸品です。
2002年のスゲ細工作りの様子
スゲ細工は、農家の冬の収入源として1958年(昭和33年)から平丸地区で作られてきました。ピーク時には200人の作り手がいましたが、過疎高齢化で職人は見る見る減少。2018年には2人いた最後の職人が引退しました。一方で、伝統を絶やしてはならないと2015年にNPO法人 平丸スゲ細工保存会が発足しました。現在はスゲの栽培、刈取り、制作に至るまで若手が中心となって伝統と技を継承しようとしています。
スゲ細工 干支のイノシシ
2002年年賀郵便切手のデザインに採用
スゲ細工は干支だけではありません。この地域の春祭りにはスゲで作られた巨大な馬や牛が登場します。大きな馬や牛を引いて集落の家をまわる「スゲ細工の引き回し」です。
これは実物大に近いスゲの馬です。全長約2m、高さは約1.8m。毎年4月、地元の春祭りで五穀豊穣を祈り集落を練り歩いていました。一時、高齢化や若手の減少でしばらく巡行をやめていましたが、平丸スゲ細工保存会の協力のもと、祭りは復活しました。
妙高市の山間地で、伝統を絶やすまいと雪国の若手が奮闘しています。
スゲ細工の購入には事前予約が必要です。また平丸スゲ細工創作館ではスゲ細工の歴史を学んだり、作品を見学することが出来ます。詳しくは平丸スゲ細工保存会まで。
住所: 新潟県妙高市上平丸2759
電話: 090-3548-7370(柴野さん)
アクセス: <車>北陸新幹線 上越妙高駅から車で35分